『税務コンプライアンス』の遵守が企業にもたらすものとは
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税務に関して、近年はすべての企業に対し、『税務コンプライアンス』の遵守が求められています。
税務コンプライアンスとは、法律に定められた納税義務を守り、企業が自発的に正しく納税することを指します。
一見、当たり前なようですが、税務コンプライアンスに反している企業もあり、場合によっては経営の大きなリスクとなるおそれもあります。
大企業だけではなく、中小企業も注視するべき税務コンプライアンスの重要性について説明します。
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国税庁の示す税務コンプライアンスとは
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国税庁では、税務コンプライアンスの維持・向上のためには、大企業がみずから税務に関するコーポレートガバナンスを充実させていくことが重要、かつ効果的であるとし、税務コーポレートガバナンスを「税務について経営責任者が自ら適正申告の確保に積極的に関与し、必要な内部統制を整備すること」と定義しています。
税務における適正申告とは、脱税などの違法行為や悪質な課税逃れなどの不正行為を行わないだけでなく、納税者が高い納税意識を持ち、自発的かつ適正に税金を申告することを意味します。
そして、この適正申告を行うために、経営者は内部統制の整備を積極的に行う必要があります。
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税務における内部統制の整備とは、企業の経営者がみずから適正な税金を申告するための仕組みをつくり、効率的で健全な運営を行うことができる状態を確保することです。
内部統制の整備は、税務コンプライアンスを守るうえでの重要なポイントとなるため、経営者はまず、内部統制の整備を行う必要があるかどうかという視点で、現状を確認しておきましょう。
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たとえば、領収書が正しく管理されていなかったり、帳簿に記載されている取引に間違いがあったりするのはよくありません。
また、外注費や交際費などの勘定科目に大きな変動があった場合や、預金残高と帳簿の金額が一致していない場合などは、税務会計処理が不十分とみなされ税務署から脱税を疑われることにつながります。
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各種ハラスメントや情報漏洩、下請法や景品表示法などの違反といった一般的なコンプライアンス違反は、法的なペナルティだけではなく企業の社会的信用の失墜や顧客離れなどを招き、最悪、倒産に至るケースもあります。
税務コンプライアンスも同様に、税務上の違反が発覚した場合は追徴課税がされるほか、本来であれば受けられる控除を見逃してしまったり、従業員の横領などの不正を招いたりするリスクもあります。
これらのリスクを回避するためにも、経営者自身が税務に対して正しい知識を持ち、内部統制の推進に努めることが大切です。
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税務コンプライアンスを向上させる対策
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税務コンプライアンスは、大企業だけの問題ではありません。
中小企業も高い納税意識を持ち、税務コンプライアンスを遵守していく必要があります。
そのためには、前記した通り、会計の現状を知ることが必要です。
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公益社団法人納税協会では、国税庁の後援のもと、『自主点検チェックシート』と『自主点検ガイドブック』を作成し、企業の税務コンプライアンスを向上させるため、企業みずからが自主点検することを推奨しています(どちらも納税協会のホームページから入手することができます)。
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点検科目は文書管理や売上、経費全般から消費税や印紙税など全部で27科目あり、そのなかの点検項目は全部で83項目になります。
たとえば経費全般の科目には、「支出の相手方が不明なものについては、その内容を確認しましたか」や「領収書の宛名は法人名(自社)となっていますか」など、経費にまつわる点検項目が並びます。
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このシートを活用して自主点検を行い、内部統制の整備と経理の健全化を進めていくことで、入出金の適正な管理や、無駄な支出の抑制などが期待できるでしょう。
一方で、何の対策も講じず内部統制の整備を行わない場合、企業は売掛金の未回収や資金繰りの悪化のリスクを抱えるなど問題が生じる可能性があります。
なにより、税務コンプライアンスが守られていないと、もしも税務調査が入った際にさまざまな指摘を受けることになり、場合によっては重加算税や延滞税などのペナルティを受けたり、悪質な場合は税務訴訟など刑事罰の対象になったりすることも考えられます。
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日々の税務コンプライアンスの遵守は、企業の経理に関するさまざまな無駄やリスクを省くことが期待でき、ひいては企業を守ることにもつながります。
まずは納税協会の自主点検チェックシートを活用し、自社の現状を確認しておきましょう。そして内部統制を整備し、企業全体で税務コンプライアンスを遵守できる環境を整えることが大切です。
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※本記事の記載内容は、2023年5月現在の法令・情報等に基づいています。
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