ブログ

エンジェル税制

2017年3月31日

エンジェル税制

~信用と資金を獲得しよう~

 

エンジェル税制とは、ベンチャー企業への個人投資を促進することを目的とし、個人投資家の所得税を減税する制度になります。

業種のしばりもほとんどなく、役員や従業員が自社に出資した場合でも、要件を満たせば適用が可能となり、認知度は低いのですが、ベンチャー企業には是非、検討すべき制度となっています。

 

■投資をした年の優遇措置

(1)優遇措置A・・・・・設立3年未満の企業が対象

対象企業への投資額-2000円をその年の総所得金額から控除できます

※ただし、総所得金額×40%と1,000万円いずれか低いほうが上限

 

EX  総所得  1,500万円   投資額 500万円

1,500万円×40%=600万円OR1,000万円が上限

よって、500万円-2000円を1500万円から控除可能

(2)優遇措置B・・・・・設立10年未満の企業が対象

対象企業への投資額すべてが、その年の他の株式譲渡益から控除できます

 

■売却をした年の優遇措置

投資先の企業が上場する前に、株式を売却して損失が発生した場合には、その年の他の株式譲渡益と通算ができ、その年に相殺しきれなかった損失については、翌年以降3年間、株式の譲渡益と通算が可能となります。

※破産、解散などにより株式の価値がなくなった場合も同様の取り扱いになります

 

■対象企業

  • 設立からの経過年数  上記優遇措置に記載の通りです
  • 研究者の人数、試験研究費の割合、営業キャッシュフローが赤字などの要件を満たすこと(設立経過年数により条件が異なります)
  • 特定の株主グループからの投資が5/6を超えないこと
  • 大規模法人(資本金額1億円超など)や大規模法人に関係する法人(発行済み株数の1/2を大規模法人グループが保有)でないこと
  • 未登録・未上場の株式会社で、風俗営業等に該当しないこと

 

対象となる個人の要件

  • 実際に、金銭を払って株式を取得していること(現物出資や発行済み株式の取得ではダメ)
  • 対象企業が同族会社に該当する場合は、株式の所有割合が一定の条件のもと、50%を超えるグループに属していないこと

 

■事前確認制度

ベンチャー企業等が、資金調達前に、自社がエンジェル税制の対象になるか否かを確認できる制度です。対象企業となれば経済産業省のホームページで公表されるため、個人投資家からの投資がうけやすくなるなどのメリットがあります。

 

 最後に

エンジェル税制は、所得税の軽減や事前確認制度の活用によるリスクの低減など個人投資家にもメリットがあります。

また、個人投資家にも事前審査があるため、対象企業にとっても全く知らない方から出資を受けるというリスクはなくなります。

当然、法人にとっては、資金調達はもちろん、経済産業省からのお墨付きによりある程度の信用が獲得できます。

一度、活用を検討してみてはいかがでしょうか?

お気軽にお問い合わせください TEL/03-3241-4856

メールでのお問い合わせはこちら