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キャッシュレス・ポイント還元事業にかかる手数料

2019年11月23日

2019年10月1日の消費税率引上げに伴い、増税の負担を軽減する目的で導入されるポイント還元事業が同日の10月1日から始まっています。実施期間は2020年6月30日までの9か月間で、その期間中にポイント還元事業対象店舗にてキャッシュレス決済をすれば5%または2%のポイントが消費者に還元される仕組みです。

 

ポイントの還元方法は、それぞれの店舗にて既に発行されているポイントに追加付与される方法やクレジットカードの口座引落しの際に請求額を相殺する方法、口座に充当する方法、購入時に即時充当(値引き)の方法などがあります。

 

消費者は2%の増税の負担を相殺またはそれを上回る還元効果を享受できるわけですが、キャッシュレス決済を導入している店舗にとっては少し状況が異なります。ポイント還元を期待する利用客の増加に伴う売上の増加は見込めますが、キャッシュレス決済事業者へ支払う手数料の増加も同時に起こります。

 

国は店舗にとってのこの支払手数料増加の負担を軽減するため、キャッシュレス決済事業者へ補助を行い、手数料の1/3を国が負担する形でキャッシュレス決済事業から店舗への手数料の請求を通常の手数料率より下げる対策を講じました。

 

ただ、この手数料の1/3補助はポイント還元事業の2020年6月30日までであり、それ以降は通常の手数料率に戻るため、店舗にとっては支払手数料の負担が大きくなる可能性があります。今までの現金決済なら手数料負担はなかったものが、売上の3%ほどが手数料として常時発生することは、店舗にとっての損失になると思われます。しかし、キャッシュレス決済の利便性を求める顧客を失ってしまう機会損失と比較したとき、この手数料は原状やむを得ないことなのかもしれません。

 

経済産業省は2025年までに日本のキャッシュレス決済率を40%にする目標を掲げており、手数料負担の増加はさらに進行すると思われます。店舗側の経費削減などの努力は必要になりますが、キャッシュレス決済をさらに推進するためには、国からの手数料負担軽減措置やキャッシュレス決済事業者の手数料率引き下げが求められることは海外のキャッシュレス化が進む国の事例からうかがえることなので、できるだけ早い措置の拡充が期待されます。

(投稿者:大岩)

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