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賃貸用不動産を取得・譲渡した場合について

2018年11月23日

賃貸用不動産を取得しようする場合、個人又は法人で取得するのか迷われる事が多いにあると思います。

賃貸収入・売却に係る税金の個人と法人の取扱いが違うため、熟慮して不動産を取得する必要が

あります。

 

賃貸用不動産を取得した場合と、賃貸用不動産を譲渡した場合の個人と法人の違いについて考えてみたいと思います。

 

◎賃貸用不動産を取得した場合は、下記の税金が発生します。

 

1.不動産取得税(地方税)

土地・建物の不動産の取得に対する税金となります。

 

2.登録免許税(国税)

土地・建物の登記するための税金となります。

 

3.固定資産税等(地方税)

土地・建物の所有に対して毎年発生する税金となります。

 

4.消費税(国税)

建物の購入価格のみ消費税が課税されます。土地の購入価格については、消費税は、

非課税となります。

 

◎賃貸用不動産を売却して譲渡益が出た場合は、下記の税金が発生します。

 

1.個人が賃貸用不動産を売却して譲渡益が出た場合は、譲渡所得に係る税金が

発生致します。賃貸用不動産を売却した場合の譲渡所得は、給与所得や

不動産所得等の他の所得とは合算せず、単独で税額を計算する申告分離課税

となります。譲渡所得の計算方法・譲渡所得の税額の計算方法は、次のとおりです。

 

譲渡所得=譲渡収入金額ー(建物・土地を取得した費用+譲渡した際に発生した費用)

譲渡所得の税額=譲渡所得×(注)税率(所得税・住民税)

 

(注)税率は、下記のとおりです。

1.短期所有の場合(譲渡年の1月1日で5年以下)

所得税30%+住民税9%=39%

2.長期所有の場合(譲渡年の1月1日で5年を超える)

所得税15%+住民税5%=20%

 

2.法人が賃貸用不動産を売却して譲渡益が生じた場合には、その譲渡益とその他利益を

合算したものに対して法定実効税率(平成30年度以降は、29.74%)に相当する税金

(法人税等、法人事業税・都民税・県民税、法人市民税)が発生致します。

 

 

◎法人・個人のメリット・デメリットについて

 

法人が所有期間が5年以内の賃貸用不動産を売却した場合には、法定実効税率が29.74%で

個人が所有期間が5年以内の賃貸用不動産を売却した場合には、税率が39%となりますので、

短期で譲渡する場合には、法人が有利となります。所有期間が5年を超える長期保有の賃貸用

不動産を譲渡した場合には、個人の税率が20%となり、個人が有利となります。

 

◎まとめ

 

最後に、含み損が生じている賃貸用不動産を個人で所有している場合には、他の個人で所有して

いる含み益が生じている不動産を売却したタイミングで、含み損が生じている賃貸用不動産を売却

して損失計上し、売却損と売却益を相殺することが可能です。

個人は、含み損が生じている賃貸用不動産を譲渡した場合の損失は、翌年には繰越しが出来ません

また、法人が含み損が生じている賃貸用不動産を譲渡した場合には、その損失は、最大10年間

繰越が出来る青色欠損金を利用することで、売却益と売却損を相殺することが可能です。

個人と法人の税率のみで考えるのではなく、総合的にいろんな状況を勘案して、賃貸用不動産

を個人で取得して売却するのか、法人で取得して売却するのかを検討することがとても大切

かと思います。

 

(投稿者:國分 久)

 

 

 

 

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