人事評価の公平性を保つための『評価会議』の進め方
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従業員の等級や報酬に大きな影響を及ぼす人事評価には、公平性や納得性が求められます。
人事評価は、評価者があらかじめ定められた『評価基準』に沿って行うものですが、人間が査定する以上、どうしても評価にはブレが生じてしまいます。
しかし、この評価のブレは従業員の不満の要因となるため、可能な限り取り除かなければいけません。
そこで重要になってくるのが、評価者が一堂に会して行われる『評価会議』です。
評価者による評価を調整し、最終決定を下す評価会議について、全体的な流れやポイントを説明します。
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まずは評価会議を行う目的を理解する
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組織によって人事評価の方法はさまざまですが、一定以上の規模の企業になると、評価の公平性を保つために、二人以上の評価者が査定を行うのが一般的です。
なかでも、係長や課長クラスが「1次評価者」として直属の部下の査定を行い、その上の各部署の部長クラスが「2次評価者」として、1次評価者の評価が正しく公平だったのかを確認する「2段階の人事評価」が多くの企業で行われています。
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1次評価者は普段から部下と直接関与しているため、その部下の能力や働きぶり、仕事への姿勢などを把握することができますが、一方で距離が近すぎるがゆえに、正しい評価や判断ができない場合もあります。
そこで2次評価者は、より客観的な視点で1次評価者の見解に偏りがないか見極める役割を担います。
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そして、1次評価者と2次評価者が下した評価を、さらに公平性を持って調整していくのが、『評価会議』です。
企業によって、評価会議は「評価調整会議」や「キャリブレーション」ともいわれています。
評価会議を経た評価は、対象従業員の最終的な評価となります。
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また、評価会議には、被評価者の最終評価を決めるほかに、もう一つの目的があります。
それは、評価者の評価の軸となる『評価基準』を、ほかの評価者の基準とすり合わせ、揃えるというものです。
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人事評価に用いられる評価基準には、ノルマの達成度合いや業績など、数字として示すことができる項目と、個人の能力や仕事への姿勢など、数値化のむずかしい項目があります。
数値化のむずかしい項目は、評価者の主観による評価になることも多く、どうしてもバラつきやブレが生じてしまいがちです。
評価会議は、こうしたバラつきやブレをなくすために、評価者の持つ評価基準を全員で共有し、揃えていく場でもあります。
評価基準のすり合わせをしておけば、数値化がむずかしい項目でも1次評価の段階で、より公平性が高く、納得感のある評価を下せることになります。
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滞りなくスムーズに評価会議を進めるために
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評価会議の参加者や進め方は企業によってさまざまで、役員が中心となって行われるケースもあれば、1次評価者が加わるケースもあります。
一般的に、従業員数が50名規模の企業であれば、1次評価者と2次評価者を加えた8~10名の評価者による評価会議が望ましいとされています。
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会議の時間は、規模や人事評価に対する考え方にもよりますが、50名規模であれば、3~6時間くらいを目処に設定しましょう。
1次評価者でもある係長や課長自身の評価が必要な場合は、評価会議を一部と二部で分け、一部で一般従業員に対する評価会議を行い、二部では係長や課長に席を外してもらったうえで、係長や課長の評価者である部長クラスが評価会議を行います。
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評価会議を進める際は、被評価者の評価結果を一覧にした評価表を用意し、評価を比較できるようにしておくとスムーズです。
その評価表をもとに、1次評価者や2次評価者がその評価を下した理由を説明し、それぞれの項目ごとに意見を出し合いながら、検証していきます。
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評価の争点になりやすいのは「不自然に高い評価や低い評価」「1次評価者と2次評価者の間で乖離のある評価」「同部署や同業務の従業員同士にもかかわらず乖離している評価」などです。
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円滑に評価会議を進めるためには、進行役の役割も重要です。
事前に予定表を作って参加者に共有し、滞りなく進めるようにしなければいけません。
また、会議ではディスカッションを経て最終評価が決まるため、活発な意見交換が行われるよう参加者に発言してもらうことを意識しておきましょう。
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自社の従業員のモチベーションやエンゲージメントの向上に、人事評価は重要です。
その人事評価に納得感と満足感を得られるようにするためにも、しっかりと意見をすり合わせ、調整する評価会議を執り行うようにしましょう。
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※本記事の記載内容は、2024年2月現在の法令・情報等に基づいています。
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参考文献:https://mi-g.jp/mig/article/detail/id/33805?office=Z17DLaHtybU%3D