企業が中高年の『キャリア自律』を促したほうがいい理由
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変化し続ける時代や環境において、労働者が主体的となって能動的にキャリアの構築を行うことを『キャリア自律』といいます。
これまでのキャリア形成は企業が主体となって行われていましたが、終身雇用制度の崩壊や、働き方の多様化などによって、働く人みずからが将来を切り開いていく必要が出てきました。
だからといって、企業側には関係のない話というわけではなく、むしろ、企業として、こうした自社の従業員のキャリア自律を促し、サポートしていかなければいけません。
特に将来に不安を抱えている中高年社員のキャリア自律について、企業ができることを考えていきます。
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社員の自主的な取り組みと企業の支援が重要
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「中高年社員」と呼ばれる40~50代くらいのミドル世代になると、社内の出世レースも落ち着き、ある程度、自身の行く末を見通せるようになってきます。
しかし、なかなか将来の展望が描けず、さまざまな要因から自身のキャリアについて不安を抱えてしまう中高年社員もいます。
キャリア形成への不安は仕事への意欲に直結するため、そのままモチベーションを失ってしまう人も少なくありません。
そこで必要になるのが、中高年社員の『キャリア自律』と、企業側のサポートです。
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これまで従業員のキャリア形成は、ジョブローテーションや社内公募制度、研修やセミナーなど、企業が主体となって行われるものでした。
しかし、成果主義やジョブ型雇用の導入、終身雇用制度の崩壊などによって、近年は企業が社員の将来を考えるのではなく、社員がみずから将来を考え、自主的にキャリアを構築していかなければならない時代になりました。
人生100年時代が到来するなかで、特に定年が迫る中高年社員は、自律してキャリアの構築を図ることが重要視されます。
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実際に、ここ数年は自主的にスキルアップや能力開発に取り組む人が増えてきています。
必要に応じて学びと仕事を交互に繰り返しながら、必要なスキルを身につけることを『リカレント教育』と呼びます。
リカレント教育の市場規模は拡大傾向にあり、2021年度は460億円を突破したといわれています。
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また、社会人の『リカレント(学び直し)』は再就職や年収にも影響しており、内閣府の資料によると、自己啓発や学び直しによって、3年後の年収と就業確率が共に上昇することがわかっています。
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キャリア自律を促進していくにあたっては、社員の自主性に頼るだけでなく企業としてもサポートしていくことで、よりよい成果が得られる可能性があるといえるでしょう。
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キャリア自律のサポートで得られるメリット
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中高年社員のキャリア自律をサポートすることによって、企業はどのようなメリットを得ることができるのでしょうか。
一つに、中高年社員のリカレントによって得たさまざまな知見やノウハウが社内に蓄積されていくことによって、業務の効率化や生産性の向上が期待できます。
また、個々の企業に対するエンゲージメントも高まりますし、キャリア自律を支援する企業として、採用の現場でも有利に働くでしょう。
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こうしたメリットを最大化するために、企業はまず面談などで中高年社員と話し合う機会を設け、キャリア自律についての意思確認を行う必要があります。
どのようにキャリア自律を進めていくのかなど、将来の展望を含めてヒアリングすることで、対応の仕方も変わってきます。
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たとえば、キャリア自律の方法に迷っている中高年社員に対しては、キャリアプログラムや情報の提供といったかたちで支援することが可能です。
家族の介護などの家庭内の問題でキャリア自律が妨げられている中高年社員に対しては、柔軟な働き方ができる労働環境の整備・構築などを行なっていきましょう。
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場合によっては、ジョブローテーションや社内公募制度など、これまで企業が主体となって行なってきたキャリア形成と組み合わせるかたちで、キャリア自律を促していくというやり方もあります。
キャリア自律につながる多様な人事制度の導入や、キャリア自律に関する相談窓口の開設などは多くの企業で導入されている取り組みで、一定の成果を上げています。
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厚生労働省では、奨励金制度の導入や目標の明確化など、キャリア自律に関して効果のあった企業の取り組みを公表しており、自社のキャリア自律支援の参考にできます。
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住宅ローンなどの経済的な負担、自身の健康上の不安、親世代の介護問題など、中高年社員は複数の課題を抱えているケースが多く、企業のサポートがなければキャリア自律がむずかしい人もいます。
個々の状況に合わせて、適切な支援を行なっていくことが大切です。
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※本記事の記載内容は、2024年9月現在の法令・情報等に基づいています。
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参考文献:https://app.mig-sys.jp/mig/admin/articles/1001625