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法務担当者が理解しておきたい『独占禁止法』の中身

2022年5月11日

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独占禁止法は、正式名称を『私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律』といい、事業者同士の公正で自由な競争を促し、事業者が自由に活動できるようにすることを目的としています。
具体的には6つの禁止行為が定められており、これに違反した事業者は、公正取引委員会によって排除措置命令や課徴金納付命令などを受けることになります。
今回は、事業を進めるうえで遵守したい、独占禁止法のポイントをお伝えします。

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独占禁止法における6つの禁止事項

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そもそも『経済的自由主義(自由経済)』とは、モノが自由に売り買いできる状況の上に成り立つものです。

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ところが、ひとつの事業者が自らの利益のために特定の商品やサービスの提供を独占し、市場における事業者同士の自由な競争がなくなると、消費者は選択の余地がなくなり、不利益を被ることになります。
そこで、消費者の利益を守り、事業者の健全な競争を促進するために制定されたのが、独占禁止法です。

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日本における独占禁止法の歴史は古く、1947年7月の施行から現在に至るまで、経済や産業構造の変化に伴い、さまざまな改正が行われてきました。

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現在の独占禁止法は、事業活動を行ううえで基本的なルールが定められており、公正かつ自由な競争を妨げる以下のような6つの行為を規制しています。

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(1)私的独占の禁止
私的独占には、以下の2つが含まれます。
『排除型私的独占』
事業者が、商品を不当に低価格で販売し、ライバル会社を市場から排除したり、新規参入を妨害したりする行為
『支配型私的独占』
事業者が、他社の株式を取得することで相手の会社の事業活動に制約を与える行為

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(2)不当な取引制限の禁止
不当な取引制限とは、以下の2つが該当します。
『カルテル』
事業者同士が互いに連絡を取り合い、本来は各企業がそれぞれ独自に決めるはずの商品価格や販売個数などを決めてしまう行為
『入札談合』
国や地方自治体が行う公共工事や公共調達の入札の際に、事前に受注事業者や受注金額を決めてしまう行為

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(3)事業者団体の規制
事業者団体とは、共通の利益を増進することを主な目的として、2つ以上の事業者で構成されている団体を指します。
具体的には、○○協会、○○協議会、○○組合、○○工業会などが該当します。
これらの事業者団体が、顧客や販路、供給のための設備等について制限し、構成事業者間の競争を妨げたり、あるいは新規参入に制限を設けるなど、一定の取引分野において実質的に競争を制限するなどの行為を禁止しています。

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(4)企業結合の規制
企業結合とは、企業の合併や株式の保有などにより、企業同士に結合関係が生まれることを指します。
企業結合をすることで、市場における商品価格や商品の供給の個数などを左右できるような場合は、該当する結合が禁止されます。
一定の要件に該当する企業結合を行う場合は、あらかじめ、公正取引委員会に届出と報告を行う必要があります。

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(5)独占的状態の規制
不当な活動の結果ではなくても、シェア50%以上など、市場が一社の独占状態に陥っている場合は、他社との競争を回復する措置として、独占している企業に対して他社への営業の一部譲渡などが命じられることがあります。

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(6)不公正な取引方法の禁止
『自由な競争が制限されるおそれがある』『競争が公正とはいえない』『競争の基盤を侵害するおそれがある』と判断された場合は、該当する取引方法が禁止されます。
大きく分けると、大規模小売業や物流などが対象となる『特殊指定』と、全ての事業者が対象となる『一般指定』の2つがあります。
さらに、一般指定における禁止取引として、『取引拒絶』『排他条件付取引』『拘束条件付取引』『再販売価格維持行為』『ぎまん的顧客誘引』『不当廉売』などがあげられます。

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以上6つの禁止行為を定めた独占禁止法と、その補完法となる『下請法』によって事業者の公正で自由な競争が維持されています。
下請法とは、下請取引の公正化・下請事業者の利益保護を目的とする法律です。

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もし、違反の疑いがあった場合には、公正取引委員会による立入検査や事情聴取が行われ、違反が認められると、排除措置や課徴金、刑事罰などが科されることもあります。

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独占禁止法に抵触しないように、法務担当者はその内容を十分に把握しておく必要があります。
また、独占禁止法の適用が除外される事項もあります。
取引を行う際には、その都度確認し理解を深めていきましょう。

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※本記事の記載内容は、2022年4月現在の法令・情報等に基づいています。

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参考文献:https://mi-g.jp/mig/article/detail/id/29367?office=Z17DLaHtybU%3D

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