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浪費やギャンブルで作った借金の場合は自己破産できない?

2022年8月3日

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自己破産とは、借金の返済ができなくなってしまったとき、裁判所に申立てをして免責許可をもらい、借金の支払い義務を免除してもらう(免責)手続きです。
支払不能、債務超過に陥ってしまった個人の借金返済義務を免除して、その人が経済的、社会的に再起できるよう支援することを目的としています。
ところで、一口に『返済できなくなってしまった借金』といっても、その原因・経緯はさまざまです。
浪費やギャンブルで作った借金であっても、自己破産して返済義務を免れることはできるのでしょうか?
今回は、その疑問にお答えします。

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破産の申立てはどうする? 免責不許可事由とは?

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自己破産により個人が借金の返済を免れるということは、他方で、債権者が自身の債権を回収することを諦めなくてはならないことを意味します。
つまり、債務者が自己破産するということは、債権者にとって大きな痛手となります。
そこで、債務者の経済的な再起を図ることと、債権者の債権の保護という二つの利益を調整し、当事者間の公正を図る観点から、破産法252条1項では、『免責不許可事由』を列挙しています。
もし、自己破産を申請するに至った経緯がその事由に該当する場合は、借金を免除することが相当ではないため、免責を認めない、ということです。

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では、破産法252条1項4号を詳しく見てみましょう。
まず、免責不許可事由として『浪費又は賭博その他射幸行為をしたことによって著しく財産を減少させ、または過大な債務を負担したこと』が挙げられています。
つまり、浪費やギャンブルが原因で、本来は借金返済に充てるべき自身の財産を著しく減少させたり、過大な借金を作った場合は、原則として借金の返済義務は免除されない(免責許可決定は受けられない)ということになります。
具体例としては、以下のような場合が免責不許可事由にあたります。

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●収入に見合わない、過度に贅沢な旅行や食事代のための借金
●キャバクラやホストクラブ等の接待を伴う飲食店や、性風俗店に通うための借金
●ネットワークビジネス等をするための借金
●株式投資や先物取引、不動産投資、外交為替証拠金取引(FX)、仮装通貨投資等の投資・投機行為をするための借金
●パチンコ、パチスロ、競馬、競輪、競艇、賭け麻雀等のギャンブルをするための借金
●ソーシャルゲームでの課金や、有料サイトの利用代金を支払うための借金

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なお、直接的には『生活費に充てるための借金』であるとしても、そもそも生活費の不足をもたらした原因が浪費やギャンブルであった場合は、浪費やギャンブルを原因とする借金、と評価されます。

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借金の原因が浪費やギャンブルだと、一切免責されない?

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このように、浪費やギャンブルが原因で破産せざるをえなくなったとしても、免責不許可事由に該当するとして、免責を認めてもらえないのが原則です。
しかし、免責不許可事由があるからといって、一律かつ直ちに免責不許可となるわけではありません。

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実際の実務の運用では、浪費やギャンブルに至った経緯や事情、行為の悪質性、債務者の反省の程度等、当該事案にあらわれた一切の事情を総合的に考慮して、『裁量免責』になることも少なくありません。
裁量免責とは、免責不許可事由がある場合でも、裁判官の裁量的な判断により免責を認めることをいいます(破産法252条2項)。

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裁量免責を得るためには、いかにして裁判官に「免責を認めれば、この申立人は経済的に再起して、真面目に人生を歩んでいくだろう」という心証を持ってもらうかがポイントです。

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そのためには、まずは破産に関する専門的な知識・経験を有する弁護士に相談するとともに、問題となっている行為をきっぱりとやめて反省の態度を示し、免責許可決定後の生活設計を具体的に説明すること等が重要になります。
また、破産管財人や裁判所に協力し、誠実に対応することも大切です。

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自己破産すればすべて解決するわけでもなく、もとより借金の原因によっては返済義務の免除が認められない場合もあります。
お金の管理はくれぐれも慎重に行っていきましょう。

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※本記事の記載内容は、2022年7月現在の法令・情報等に基づいています。

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参考文献:https://mi-g.jp/mig/article/detail/id/29972?office=Z17DLaHtybU%3D

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