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減価償却がよくわかる! 『定額法』と『定率法』を解説

2020年10月15日

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『減価償却』とは、機械設備や自動車、パソコンなどの固定資産の購入費を、複数年に分けて徐々に経費として計上していくことをいいます。
経理処理を行ううえでよく出てくるので、知っておきたい事柄の一つです。
減価償却の計算方法には、大きく分けて『定額法』と『定率法』の2種類があり、どちらの計算方法にするかは、あらかじめ決められている場合と選べる場合があります。
では、選べる場合、どちらを選べば節税につながるのでしょうか?
今回はこの2つの計算法について解説します。

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そもそも減価償却とは何のためのもの?

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減価償却は、企業の業績の実態を正しく捉えるために行うものです。
建物、家具什器、機械設備、パソコン、自動車など、時間の経過によって資産価値が減少していく固定資産を購入した場合は、その資産の耐用年数(使用可能期間)で割って経費計上します。

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たとえば、300万円の機械設備を購入し、その耐用年数が5年だった場合には、『300万円÷5年=60万円』を毎年の決算で計上するというわけです。

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減価償却をすれば、その年の会社の利益を、より正確に表すことができます。
先ほどの例で、購入費用の300万円をその年度に一度に計上してしまうと、場合によっては決算が赤字になってしまいます。
赤字となれば、いくら内実が好調でも、金融機関からの融資を打ち切られるかもしれませんし、他社との取引にも影響が出てしまうかもしれません。
そうならないためにも、長期間使用し、経年劣化する固定資産については、複数年にわたって計上するほうが、実態に合わせることができるのです。

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ただし、使用可能期間が1年未満のものや取得価額が10万円未満のものは、減価償却をせず、『消耗品』などの勘定科目として、その全額を使用した年に計上します。

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取得価額が10万円以上20万円未満のものは、通常の減価償却として処理するか、一括償却するかを選ぶことができます。
一括償却とは、耐用年数にかかわらず3年間で均等に計上する方法です。
取得価額が20万円以上のものであれば、原則的に減価償却で処理します。

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ちなみに、青色申告法人である中小企業者等で常用職員が500人以下の法人については、取得価額が30万円未満であれば、『少額減価償却資産』として、取得した年に全額損金算入できる特例もあります(少額減価償却資産の取得価額の合計額が300万円に達するまで)。
ただし、2022年3月31日までに取得したものが対象となるため注意が必要です。

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定額法・定率法の違いとそれぞれのメリット

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減価償却の計算方法には定額法と定率法という2つの方法があります。

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まず、定額法では、単純に『購入価格÷耐用年数』という計算式で減価償却費を求めていきます。
その際の耐用年数は財務省令によって物品ごとに細かく定められています(法定耐用年数)。
たとえば、接客業を営む会社が100万円で応接セットを購入したとします。
接客業用の応接セットの耐用年数は5年ですので、上記の式だと『100万円÷5年』となり、1年あたりの減価償却費が20万円になることがわかります。
つまり、5年間にわたって、毎年20万円ずつ計上していくというわけです。

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一方、定率法は、毎年一定の割合で減価償却費が少なくなるように計算する方法で、『未償却の残高×定率法の償却率』という計算式で求めます。
たとえば、耐用年数5年のものは、定率法での償却率は0.4と決められています。
上記のケースと同じく100万円の応接セットを購入した場合、1年目は100万円×0.4で40万円、2年目は(100万円-40万円)×0.4で24万円、3年目は(60万円-24万円)×0.4で14万4,000円というふうに、経過年数ごとに償却額が減少していきます。

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では、それぞれのメリットについて見ていきましょう。

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定額法のメリットは、計算が非常にわかりやすいという点があげられます。
また、定率法に比べると初年度の減価償却費が少ないため、定率法よりも初年度の利益をより多く計上することができます。
したがって、固定資産を取得した年の利益が少ない場合などには、定額法を選ぶとよいでしょう。

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一方、定率法はその逆で、定額法よりも初期の段階での減価償却費が大きいため、節税対策の一環として購入したものには、こちらを適用することが多くあります。
ただし、定率法を正しく運用するには、このほかに『償却保証額』や『改訂償却率』などの知識も必要になるため、これらを正しく理解して運用するのが難しいというデメリットがあります。

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定額法・定率法を選べる場合、選べない場合

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この2つの計算方法については、あらかじめどちらを使うか決められている場合と、選択できる場合があります。

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まず、個人事業主に関しては、定額法と決められています
しかし、所轄の税務署に届出をすることで、定率法に変更することもできます。

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また、購入した物品でいえば、たとえば『建物』『建物附属設備』『構築物』『ソフトウェア』に関しては、法人も個人事業主も減価償却は定額法で計算するように定められています。
ただし、定められている方法について『減価償却資産の償却方法の届出書』を税務署に提出すれば、方法を変えることも可能な場合があります。

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減価償却の知識は、経理処理をする際には必要不可欠になります。
大きな買い物をした年にあわてないで済むよう、2つの計算方法についてよく知っておくことが大切です。
どちらかを選ぶ際には、その年の会社の経営状況に合わせて、適したほうを選択できるように準備しておきましょう。

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※本記事の記載内容は、2020年10月現在の法令・情報等に基づいています。

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参考文献:https://mi-g.jp/mig/article/detail/id/24575?office=Z17DLaHtybU%3D

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