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研究開発と固定資産

2017年2月27日

~研究開発費or減価償却費?~

 日本の企業で最も研究開発を行っているトヨタ自動車㈱は、総額が年間一兆円を超えるといわれています。

一兆円とまではいかなくとも、一括で損金となるのか、固定資産に計上するべきなのかは、重要な論点になります。

 

■研究開発の定義

会計と税務では考え方が一部分、一致していないのですが、今回は税務の世界における考え方を中心にご紹介します。

1.基礎研究・・・・特別な応用、用途を考えず、仮説や理論を形成するため等の 理論的研究

2.応用研究・・・・基礎研究等によって発見された知識等を利用して、特定の目標を定めて実用化の可能性を確かめる研究

3.工業化研究・・・基礎研究、応用研究を基礎として、工業化または、量産化をす るための研究

 

1と2に関しては、工業化・量産化前の研究のため、損金処理されます。

3に該当する研究費用は、すでに工業化や量産化の段階に突入していると考え、製品等の製造原価を構成します。

つまり、いつの時点で工業化・量産化を開始したのかが重要となります。

議事録や稟議書等で、明確にしておくことが求められます。

 

■固定資産

開発研究を行うために、固定資産を購入しても一括で損金にすることはできません。

法定耐用年数に応じて、減価償却を行います。 その際、減価償却費も試験研究費に該当し、税額控除の対象となります。

また、金額が少額な場合は、下記の特例が設けられています。

  一括償却資産 少額減価償却特例
取得価額 20万円未満 30万円未満
経理処理 3年間で均等償却 全額損金
限度額 なし 300万円以下

耐用年数にも特例があり、新たな製品の製造等を目的として、特別に行う開発研究の用に供される減価償却資産については、研究開発の奨励や、リスクを考慮して一般より短い耐用年数が設定されています。

 

EX  低温室や電磁しゃへい室等特殊室にするための内部造作→5年  ポンプ、金属工作機械→7年  ソフトウェア→3年

 

■試作機

開発研究の過程で作成する試作機ついても、基礎・応用研究か工業化研究に該当するかが判断基準となります。

工業化・量産化を前提に試作されたものは、資産計上が必要となりますが、基礎・応用研究用に限定して製作され、かつ、転売が不可能な場合や、宣伝用に利用される可能性がない場合には、損金として処理されます。

 

■繰延資産

自ら行った研究開発が成功して、特許権や実用新案権を取得された方については、以前は、研究開発費を繰延資産と処理して、償却残額を特許権等に振り替えていたのですが、現在は支出した際に、損金として処理を行うことが可能となっております。

また、出願料や登録に必要な費用についても取得価額に算入しなくてもよいことになっております。ご注意ください。

他方、他者より特許権や実用新案権を購入した方は、購入金額を取得価額として、特許権については8年、実用新案権については5年で、減価償却を行っていきます。

 

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