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社内を活性化させる?『役職定年制』の正しい導入方法

2023年11月16日

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役職定年制とは、課長職や部長職などの役職にある社員が一定の年齢に達したときに、その役職から退く制度のことです。
企業にとっては増加する人件費の抑制や組織の若返りを図りやすいといったメリットがありますが、正しく導入しないと、社員のモチベーションの低下や人間関係の悪化などを招いてしまう可能性があります。
大切なのは、役職定年制を制度として機能するように設計し、対象となる役職つきの社員に納得してもらうことです。
役職定年制がもたらすメリットとデメリットをふまえながら、導入に必要な手順を説明します。

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役職定年制が導入された背景と今後の見通し

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2021年4月から施行された『改正高年齢者雇用安定法』によって、企業における65歳までの雇用確保が義務化され、70歳までの就業確保が努力義務となりました。
この法改正に伴い、定年の年齢を引き上げる企業も増えています。

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従来の日本企業の多くは年功序列や終身雇用制度をベースに、年齢を重ねるごとに役職と賃金が上がっていき、一度役職に就けばよほどのことがない限り、降格したり役職を外されたりすることはありませんでした。
管理職のポストに就く高齢従業員の雇用期間が長くなれば、それだけ人件費は増大していき、組織の流動性も失われていきます。
そこで、高騰する人件費を抑制し、組織の世代交代を進めるために、役職定年制が広がっていきました。

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役職定年制の導入が特に進んだのは、55歳定年制から60歳定年制の引き上げが行われた1980年代と、組織の高齢化に伴うポスト不足が顕著になった1990年代といわれています。
人事院が2017年に行った調査によると、役職定年制を導入している企業割合は16.4%であることがわかりました。
時代の流れとともに役職定年制は年々注目度をあげており、近年では2024年4月1日に、公務員に対する役職定年制が『管理監督職勤務上限年齢制』という名前で導入され、上限年齢に達する一定の公務員は管理監督職以外の役職に異動することになりました。
また、2025年4月にはすべての企業に対し、65歳以上の定年制の導入が義務化されるため、民間企業にも役職定年制の導入が進むと見られています。

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高齢従業員のやる気を失わない工夫が必要

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高齢従業員が長く役職に留まることで、若い世代の社員は役職に就く機会が少なくなる可能性が生じます。
管理職のポストを高齢従業員で埋めてしまうということは、若手の活躍の場を奪うことにもつながります。
ひいては、上昇志向が強い優秀な社員の離職を招きかねません。

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役職定年制を導入する最大のメリットは、高騰する人件費の抑制はもちろん、組織の世代交代を進めて社内を活性化できることです。
社内の流動性を高めるためには、役職定年制が欠かせません。

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また、高齢従業員のキャリアシフトを促せるというのも、役職定年制のメリットの一つです。
高齢従業員は定年を前にしたタイミングで、定年後の人生設計を考える必要があります。
本人の希望に沿った形で定年後も働き続けるためには、責任ある立場を一度離れて、将来を見通すことも重要だといえるでしょう。

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一方、デメリットもあります。
その代表格が、管理職を退いた高齢従業員のモチベーションの低下や、人間関係の悪化などです。
役職手当がなくなって給与が下がることで、働く意欲をなくしてしまう高齢従業員が出てくるかもしれません。
また、かつての部下が上司になるなど、人事面での変化も人間関係に少なからず影響を与えます。
会社に長年貢献してきたからこそ、プライドが傷つけられたと感じ、孤立してしまう可能性もあります。

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こうしたデメリットを解消するために、役職定年になった高齢従業員をこれまでと同様の働き方ができる職務に就かせたり、『シニアアドバイザー』など新たな肩書を与えたりする配慮が必要です。
高齢従業員の仕事へのモチベーションを維持させ、本人のアイデンティティを失わせない工夫が、会社に求められています。

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高齢従業員がこれまで培ってきた知識や経験は、会社の財産です。
高齢従業員が管理職を外れても、これまでのスキルや人脈などを活用できるような人事制度を構築すべきでしょう。
そのためにも、役職定年の対象になる管理職や年齢、給与などの設定も、役職定年制を導入するうえでよく考えなければいけません。

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まずは、自社の構成年齢を正しく把握し、本当に役職定年制を導入する必要があるかを検討してみましょう。

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※本記事の記載内容は、2023年11月現在の法令・情報等に基づいています。

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参考文献:https://mi-g.jp/mig/article/detail/id/33394?office=Z17DLaHtybU%3D

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