社員教育のために行われる『ジョブローテーション』とは
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ジョブローテーションとは、部署の異動や支社への転勤、職務の変更などを行うことで、社員に経験を積ませる能力開発の制度です。
対象となった社員は、複数の業務を経験することによって会社の全体像を把握でき、ゼネラリストとして成長していきます。
また、ジョブローテーションは幹部候補となる社員に対して行われることが多く、幅広い視野を持たせるためには最適の制度といわれています。
社員の視野が広がり、モチベーションのアップにもつながるジョブローテーションについて解説します。
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ジョブローテーションを行う背景
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日本の企業における従業員の勤続年数は国際的に見ても長く、定年まで一つの会社で勤める人も大勢います。
新卒で入社した社員が定年まで勤めるとなれば、およそ40~50年は会社に在籍することになります。
このような長期雇用に合わせた人材育成として注目されているのが、ジョブローテーションです。
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ジョブローテーションは、部署の垣根を超えて会社全体を見渡せる社員に育てあげる、人材育成の方法の一つで、対象の社員にさまざまな部署や業務を経験させて、会社の内部事情や経営戦略を深く理解してもらうための制度です。
幅広い知識や経験を保有している人材をゼネラリストと呼び、特定の分野に特化した専門的な知識や能力を保有している人材をスペシャリストと呼びますが、ジョブローテーションはゼネラリストを育てる人材育成法といえます。
また、社員の部署異動や配置転換といえば人事異動を思い浮かべる人も多いでしょう。
しかし、人事異動は組織の活性化のために行われるものであり、教育を目的とするジョブローテーションとは目的が異なります。
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一方で、ジョブローテーションは部署の数が多かったり、ゼネラリストを求めているような組織との相性はよいですが、逆に、プロジェクトやポストごとに人が入れ替わるジョブ型雇用を採用している企業には向いていません。
欧米ではジョブ型雇用が主流なので、ジョブローテーションは日本企業に向いた人材育成法ともいえるでしょう。
実際に、海外企業ではジョブローテーションが取り入れられることは、ほとんどありません。
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ジョブローテーションのメリットと注意点
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ジョブローテーションには、人材育成以外にもさまざまなメリットがあります。
たとえば、一定の社員が複数の部署を経験することで、部署間の交流が生まれ、連携が取りやすくなります。
部署を横断し、会社全体で取り組む大きなプロジェクトにおいて、ジョブローテーションを経験した社員が潤滑油の役割を果たしてくれるでしょう。
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ほかにも、ジョブローテーションは属人化を防ぐことにもつながります。
特定の社員が長年同じ業務に携わっていると、その人にしか分からない、対処できない属人的な業務が生まれてしまいがちです。
ジョブローテーションには、業務の担当者を定期的に交代させることで、知識やノウハウを社内共有する役割もあります。
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このようなメリットの多いジョブローテーションですが、前述したように短期間で人が移動するジョブ型雇用には向いておらず、スペシャリストの育成にも向きません。
基本的に、部署や職務が多く、ある程度の時間をかけて自社のことをよくわかっている人材を育てたい場合に適しているといえます。
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さらに、部署間で業務内容が大きく異なるケースや、処遇に差がある場合も注意が必要です。
労働契約法では、異動や転勤は従業員の生活に配慮するよう定められています。
そのため、労働条件の変更によって従業員が大きな不利益を被る場合は、『不利益変更』として無効になったり、違法行為としてトラブルに発展したりするおそれもあります。
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ジョブローテーションを行う際は、従業員のキャリア形成のための教育である、という前提のもと、対象社員に目的を理解してもらったうえで実施することが大切です。
そうすることで、従業員にとっても有意義な機会となるのではないでしょうか。
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※本記事の記載内容は、2022年3月現在の法令・情報等に基づいています。
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参考文献:https://mi-g.jp/mig/article/detail/id/29111?office=Z17DLaHtybU%3D