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遺留分に関する改正

2019年10月30日

今回も、相続法の改正に関してお話していきたいと思います

◆遺留分とは

遺留分とは、一定の範囲の法定相続人に認められる、最低限保証された相続財産の取得できる割合のことです。

例えば、父、母、長女、長男の四人家族で父が亡くなった場合、被相続人が遺言ですべての財産を長女に渡すと記載があったら母らは、どう思うでしょう

このような場合に、それぞれの権利を保障するものが遺留分になります

具体的な割合は

1.直系尊属(被相続人の父母)のみが相続人→相続財産の1/3

2.それ以外の場合             →相続財産の1/2

ただし、兄弟姉妹には遺留分はありません

 

◆対象財産

遺留分の対象となる財産は、下記の算式のとおりです

相続時の財産+相続開始前一年以内に行われた贈与+特別受益に該当する贈与+遺留分を侵害することを知って行った贈与-債務

ここで、上記の特別受益に関して法改正が行われました

特別受益とは、被相続人が生前に相続人に行った贈与や遺贈により受けた利益のことを言います

1.配偶者保護

婚姻期間が20年以上の夫婦間であれば、配偶者が居住している建物や土地に関しては、特別受益の対象外となりました

改正以前は、遺言において特別利益の持ち戻しの免除の意思表示がない限り特別受益として扱われていました。せっかく配偶者が自分の死後生活に困らないように贈与をしても、あまりメリットがありませんでした

2.期間

改正前は、相続人に対する特別受益に該当する贈与については、すべての期間に行われたものは対象財産とされていましたが、相続開始前10年間に行われたものに限定されました

3.支払方法

改正前は、遺留分減殺請求が行われ、その対象物が不動産などである場合には、共有という状態になり手続きがなかなか進みませんでしたが、今回の改正により遺留分権利者は金銭の支払いのみ請求できることとなりました

 

遺留分侵害請求

遺留分を侵害されている相続人は、遺留分を侵害している受遺者などに侵害額を請求することができます

まずは、内容証明郵便などで意思表示を行います

相手方が応じない場合には、調停や訴訟へと進んでいきます

 

また、侵害請求には期限があります

以下のいずれかを経過してしまうと行使できなくなります

●相続の開始及び減殺すべき贈与又は遺贈があったことを知った時から1年間

●相続開始から10年

(投稿者:五十嵐)

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