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高齢者雇用に積極的な企業は黒字傾向! その理由と秘訣

2020年9月3日

2025年には、団塊の世代が全て75歳以上になるなど、日本はこれから超高齢化社会を迎えようとしています。
生産年齢人口の減少に伴い、高齢者の労働力人口における割合も年々と高まっています。
そんななか、高齢者の雇用を積極的に行っている企業は、行っていない企業に比べて、収益動向において黒字傾向にあることがわかりました。
そこで今回は、高齢者雇用と収益の関係について、探っていきます。

定年を過ぎても就労を希望する高齢者が増加

近年、人手不足の解消などを目的に、高齢者の雇用に前向きな企業が増えてきています。

厚生労働省が公表した『令和元年「高齢者の雇用状況」集計結果』によると、労働者が常時31人以上いる全国の企業16万1,378社のうち、66歳以上が働ける制度のある企業は30.8%しかなく、そのうち定年制を廃止している企業は、わずか2.7%しかありませんでした
この結果は、65歳以上の高齢者が活躍する場が、決して多くはないことを示しています。

一方、政府は、定年年齢を引き上げることを目的に、高齢者雇用に関する助成金などの支援を打ち出し、高齢者が安心して働ける社会基盤の整備に努めています

内閣府が発表した『令和元年版高齢社会白書』のなかで行っている調査『労働力人口の推移』によると、2018年の労働力人口比率(人口に占める労働力人口の割合)は、65~69歳では47.6%、70~74歳では30.6%となっており、いずれも2005年以降、上昇傾向にあることがわかりました。

高齢者を雇用する大きなメリット

高齢者を雇用する際には、業務の見直しの必要が生じたり、制度設計に関するコストが高くなったりするなどの問題もあります。

ところが、高齢者雇用と企業の収益の関係を見てみると、高齢者を雇用している企業のほうが、高齢者を雇用していない企業に比べて、収益がアップしていることがわかりました

中小企業庁の発表した『中小企業白書2009年版』の調査『高齢者活用のための取組の有無と収益の状況』によれば、高齢者の活用のために取り組みを行っている中小企業は、特に取り組みを行っていない企業に比べ、大幅な赤字が3.6%少ないことがわかっています。
また、黒字傾向に関しても、高齢者の活用のために取り組みを行っている企業の52.1%が黒字だったのに対し、特に取り組みを行っていない企業は、45.2%にとどまりました。

近年、高齢者の活用に積極的に取り組んでいる企業には、『有能な人材の確保・維持』や『生産性の向上』『新商品開発への貢献』などの効果があると聞きます。

そもそも、高齢者にはこれまでに築き上げてきた経験やノウハウ、さらに人脈などがあり、その能力を充分に発揮して会社に利益をもたらす可能性があることは明らかです。
また、高齢従業員が若手従業員の手本となり、社内の活性化につながるというメリットもあります。

ほかにも、多様な価値観の導入や、国からの支援・優遇措置など、企業にとって高齢者を雇用することのメリットは少なくありません。
労働者の確保という一面だけではなく、自社の業務活性化のために高齢者のさらなる活用を考えてみる必要がありそうです。

労働意欲のある高齢者を積極的に雇用していく企業こそが、超高齢社会に突入する日本において、より業績を伸ばしていける企業といえるのかもしれません。

※本記事の記載内容は、2020年8月現在の法令・情報等に基づいています。

参考文献:https://mi-g.jp/mig/article/detail/id/24103?office=Z17DLaHtybU%3D

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