青色申告制度の活用のすすめ
青色申告制度の活用のすすめ
青色申告のススメ
「青色申告」を選択すると、「青色申告」にしか認めらない必要経費、特別控除等を受けることができます。
今回は、「青色申告」と「白色申告」の基本的な違い、「青色申告の特典」を詳細に解説致します。
目次
1、青色専従者給与の費用計上
2、30万円未満の減価償却資産は全額費用計上
3、売掛金等の貸倒引当金繰入(必要経費)の計上
4.、純損失の繰越控除
5、青色申告特別控除
6、特別償却
7、特別控除
8、最後に
1.青色専従者給与の費用計上
青色申告の場合は、家族に対する給与は、全額必要経費となります。
しかし、白色申告の場合は、配偶者に対する給与は最大86万円、配偶者以外の家族に対する給与は一人につき最大50万円を限度として必要経費として計上することができます。
一方、青色申告者であれば、配偶者に対する給与(注)が、月20万円であれば、年額240万円を必要経費とすることができます。
(注)給与の金額は、業務内容によって異なります。
2、30万円未満の減価償却資産は全額費用計上
青色申告の場合は、取得価額が10万円以上30万円未満の減価償却資産を取得した場合には、事業の用に供した日に取得価格相当額を必要経費として計上することが可能となります。(注)
しかし、白色申告の場合は、取得価額が10万円以上30万円未満の減価償却資産を取得した場合には、一定の金額を減価償却を通じて必要経費として計上することになります。
(注)この制度は、1年間の取得価額の合計額300万円に達するまでの金額が限度です。
3、売上債権等の貸倒引当金繰入(必要経費)の計上
(1)一括評価による貸倒引当金繰入(必要経費)の計上
青色申告の場合は、年末時点で事業上生じた売上債権等(注)の残高の5.5%を貸倒引当金繰入(必要経費)として
必要経費計上することが可能となります。
貸倒引当金繰入(必要経費)は、キャッシュアウトが生ずることなく必要経費に計上することが可能となります。
(注)売上債権等とは、売掛金、貸付金、未収金などです。
(2)個別評価による貸倒引当金繰入(必要経費)の計上
青色申告者と白色申告者は、年末時点で事業上生じた売上債権等が、下記の事由が発生した場合には、それぞれに定める金額が必要経費として計上することが可能となります。
① 更生計画認可の決定等に基づき、弁済猶予又は賦払弁済される場合
→事由が生じた年の翌年から5年以内に弁済される金額以外の金額(担保権の実行その他取り立ての見込みがあるものを除いた金額)
② 事業上生じた売上債権等の債務者につき、債務超過の状態が相当期間継続し、事業に好転の見通しがないこと等により、その事業上生じた売上債権等の額の一部につき取り立て見込がない場合
→その一部に相当する金額
③ 事業上生じた売上債権等につき、更生手続き開始の申し立て等の事由が生じている場合
→事業上生じた売上債権等の50%相当額
4、純損失の繰り越し控除
青色申告の場合は、その年に生じた赤字を翌年以降3年間、翌年以降の利益と相殺が可能となります。
白色申告の場合は、基本的には損失を繰り越すことができず、その年に生じた一定の赤字(注)のみ、利益と相殺が可能となります。
(注)①棚卸資産、事業用固定資産等が、火災、震災、風水害によって生じた損失の金額(支払保険金は除きます。)
②変動所得の損失の金額
変動所得とは、下記の所得となります。
(イ)漁獲から生じる所得
(ロ)原稿又は作曲により生じる所得
(ハ)著作権の使用料により生じる所得等
5、青色申告特別控除
青色申告の場合は、事業から生じた利益から65万円の控除が可能です。(簡易の簿記の場合には、10万円の控除となります。)
この制度は、青色申告者のみの特例です。
6、特別償却
青色申告の場合は、一定の設備を購入した場合は、購入金額に一定の割合を乗じた金額を、減価償却にプラスして必要経費計上することが可能となります。
7、特別控除
青色申告の場合は、一定の設備を購入した場合に、購入金額に一定の割合に乗じた金額を
所得税額から差し引くことが可能となります。
8、最後に
今まで説明してきたように、青色申告が節税のメリットを多く享受することができます。
最初に申請と正確な記帳、それと共に書類の保存など細かい規定がありますが、青色申告の
申請は、最初の一度のみです。
また、事業の経営状況を把握するためにも、帳簿の作成は重要です。
記帳は、前回で説明しました、「クラウド会計ソフト」を利用することで、簡単に処理することが可能となります。
ぜひ、青色申告制度を活用してはいかがでしょうか?
(投稿者 國分)