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減価償却・資産損失について

2017年4月6日

こんにちは。高嶋です。

 

今回は個人事業者向けの減価償却・資産損失について取り上げたいと思います。

 

減価償却とは、事業で使う建物、自動車、パソコンなどの固定資産の取得にかかった費用を、数年間にわたって少しずつ経費に計上する仕組みを指します。

 

今回は、「減価償却の基本的なルール」、「例外的な減価償却の方法」を詳細に解説致します。

 

目次

1、減価償却制度

2、固定資産の範囲

3、減価償却の計算方法

4、定額法と定率法

5、耐用年数

6、定額法および定率法以外の減価償却方法

7、資産損失

8、最後に

 

1.減価償却制度

 事業で使う建物、自動車、パソコンなどの固定資産の取得にかかった費用は、取得した年にその全額を必要経費とすることはできません。税法で定められた耐用年数にわたって毎年少しずつ経費に計上します。これを減価償却といい、毎年計上される経費が減価償却費です。

 

2、固定資産の範囲

  固定資産のうち、減価償却を行うもの(減価償却資産)の範囲は以下のようなものになります。

①建物(建物本体)

②建物付属設備(給排水設備など)

③構築物(駐車場のアスファルト舗装など)

④車両および運搬具(自動車)

⑤器具及び備品(机、棚、パソコンなど)

⑥無形固定資産(ソフトウェアなど)

 

3、減価償却の計算方法

固定資産の減価償却費の計算方法は、定額法と定率法の2種類があり、どちらかを選択して一定の期限までに税務署に届け出ることになっています。

この届出をしなかった場合は、所得税では定額法を選択したものとみなされます。(法定償却方法)

従って、定率法により減価償却の計算をしたい場合は、税務署に届け出る必要があります。

ただし、定率法を税務署に届け出た場合でも、平成10年4月1日以後に取得した建物本体と平成28年4月1日以後に取得した建物付属設備及び構築物は、定額法でしか減価償却できません。

 

4、定額法と定率法

①定額法

固定資産の耐用年数期間中、毎年同額を減価償却費として費用計上する方法です。

②定率法

初年度に多額の減価償却費が計上され、その後毎年の減価償却費がだんだん減少していく方法です。

【計算例】

取得価額100万円、耐用年数5年の固定資産を購入した場合の毎年の減価償却費

①定額法

1年目 200,000円

2年目 200,000円

3年目 200,000円

4年目 200,000円

5年目 199,999円(備忘価額1円を残します)

5年間の減価償却費合計  999,999円

②定率法

1年目  400,000円

2年目 240,000円

3年目 144,000円

4年目 108,000円

5年目 107,999円(備忘価額1円を残します)

5年間の減価償却費合計  999,999円

 

5耐用年数

  取得した固定資産は、その耐用年数にわたって減価償却費として毎年の経費に計上していくことになりますが、耐用年数は資産の種類ごとに税法で定められています。

建物のように頑丈で長期にわたって使う固定資産の耐用年数は長く、パソコンなど使用サイクルが比較的短い固定資産の耐用年数は短く定められています。

【例】

 建物(住宅用・鉄骨鉄筋コンクリート造)…47年

パソコン…4年

自動車(総排気量が0.66超)…5年

 

 6定額法および定率法以外の減価償却方法

  個人事業主の方は、原則は定額法で毎年の減価償却費を計算しますが、取得価額が一定額以下の固定資産につきましては、以下のような償却方法も認められています。

①使用可能期間が1年未満の固定資産

購入時に全額「消耗品費」等として経費に計上することが認めらています

②取得価額が10万円未満の固定資産

購入時に全額「消耗品費」等として経費に計上することが認めらています。

③取得価額が20万円未満の固定資産

「一括償却資産」として、取得価額を3年間で均等に費用に計上することが認められています。

④取得価額が30万円未満の固定資産

青色申告者に限り、購入した年に全額費用計上することができます。

だたし、1年間の取得価額の合計額は300万円が限度です。

 

7資産損失

  事業で使用していた固定資産が損壊し、廃棄したなどという場合は、この固定資産の取得価額からこれまで減価償却費として費用計上した金額の累額を控除した残額を資産損失として、その廃棄した年の経費に計上します。

 

8、最後に

 前述の通り、減価償却は償却方法、耐用年数が税法で細かく定められています。

その影響は固定資産を購入した年度にとどまらず、その耐用年数期間に及びますので、購入時にその取得価額および耐用年数の正確な決定が必要となります。

減価償却費の計算は手計算でも可能ですが、固定資産の数が増えてくると計算が煩雑になってきますので、市販の会計ソフトを活用するのも一案です。

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