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スキャナーで契約書や領収書を保存

2017年4月24日

スキャナーで契約書や領収書を保存

~原則的保存法と比較~

 

平成16年より、国税に関する帳簿書類の保存が、事前の税務署長の承認を前提に電子保存できるようになりました。

しかし、要件がかなり厳しく導入がなかなか進みませんでしたが、ここ数年で大幅な改正が行われ電子保存の可能性が高まってきています。

今回は、電子保存するための要件について説明しています。

 

■原則的な保存法

(1)保存期間

①法人税法

法人税法では、帳簿と取引に関して作成したまたは、受領した書類をその事業年度の確定申告の提出期限の翌日から7年間の保存義務があります。

ここでいう「帳簿」とは、総勘定元帳、固定資産台帳、現金出納帳、売掛金・買掛金台帳をさし、「書類」とは、貸借対照表、損益計算書、契約書、領収書等をさします。

※ 青色申告の欠損金の繰越期間が9年(平成30年4月以降開始事業年度は、10年)となったことに伴い、欠損金を繰り越す場合は、9年間の保存義務有。

②会社法

会社法では、会計帳簿の閉鎖から10年間、会計帳簿及びその事業に関する重要な資料を保存しなければならないとされています。

(2)保存方法

帳簿書類の保存方法は、紙が原則になります。

よって、会計ソフトを利用して総勘定元帳を作成しても、紙による保存等に代えて、電子保存することは認められていません。

つまり、基本はすべて紙に出力して、会社法まで対応するのであれば10年間保存しなくてはならなくなります。

この労力やコストは、相当なものになります。

 

■スキャナー保存とは

上記「書類」のうち、契約書や領収書・見積書については、紙の保存に代え、スキャナーでの保存が可能となっているのですが、いくつかの要件があります。

(1)事前申請

スキャナー保存する場合には、3か月前の日までに申請書を提出する必要があります。例えば、平成29年2月末日に申請したのであれば、平成29年6月1日より電子保存が可能となります。

(2)対象

以前は、3万円未満の契約書や領収書しか対象とはなっていませんでしたが、改正により、金額基準は撤廃されました。

(3)適正事務処理要件

領収書等の改ざんを防止するために、社内規程を整備し、管理体制を構築する必要があります。

具体的には、①相互牽制②定期的なチェック③再発防止策となっています。

(4)スキャナー

これまでは、原稿台と一体型という要件がありましたが、廃止されました。

また、領収書等を受領者が署名して、3日以内にタイムスタンプ(電子署名は不要)を付すことにより、社外において、スマホ等で読み取ることが可能となりました。

(5)大きさや色

一部の書類については、書類の大きさに関する情報や、カラーでの保存が必要なくなりました。

 

■まとめ

スキャナー保存を導入するにはコストの問題やすべての帳簿書類が対象とならないため、躊躇する企業も多いのが現状です。

しかし、クラウド型の会計ソフトでは、スキャンしたデータを一部加工することにより、直接、会計ソフトに取り込むことができるサービスの提供も始まっています。

また、これから一層の要件緩和も期待できます。

まず、社内でスキャナー保存を検討してみては、いかがでしょうか?

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