最初は無料であとから課金! 『フリーミアム』という手法
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近年、『フリーミアム』というビジネスモデルが注目を集めています。
フリーミアムとは、基本的なサービスや機能、製品を“無料”でユーザーに提供し、そのほかの追加のサービスや機能を利用する際に“課金”してもらうというものです。
もともとマーケティングの世界ではよくあるビジネスモデルの一つで、近年ではWebサービスを中心に採用され、一定の効果を出しています。
今回は、具体的な事例などを交えながら、フリーミアムについて解説します。
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3つに分けられる、フリーミアムの種類
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『フリーミアム』とは、フリー(free)とプレミアム(premium)からなる造語で、2006年にベンチャー投資家のフレッド・ウィルソンによって提唱されました。
そして、このフリーミアムについて書かれた書籍が2009年に出版され、一躍注目を集めました。
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最初は無料で、追加で課金させるというビジネスモデルは、インターネット上のサービスや製品と親和性が高く、さまざまなところで採用されています。
フリーミアムは、無料から有料に移行するための理由によってさまざまな種類がありますが、大まかに分けると、どのサービスや製品も下記の3つに当てはまります。
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(1)最初は無料で、課金することで継続的に使用できる
(2)基本機能は無料で、課金することで追加サービスを使用できる
(3)基本機能は無料で、課金することで利用範囲の制限が解除される
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まず、(1)の『最初は無料で、課金することで継続的に使用できる』の代表的なものは、『Hulu』や『Netflix』などの動画配信サービスです。
多くの動画配信サービスでは、1~2週間など定められた期間中は無料ですべての機能を使用できるようになっています。
いわゆるお試し期間のようなもので、その期間を過ぎた場合、料金を支払えば継続してサービスを利用できるのが特徴です。
ユーザーに無料で内容のよさを知ってもらい、そこから課金につなげるビジネスモデルで、今や多くのサービス、製品で使われています。
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一方で、似たような動画サービスでも『AbemaTV』は、(2)の『基本機能は無料で、課金することで追加サービスを使用できる』を採用しています。
『AbemaTV』は、期間の定めなく無料で番組を視聴することができますが、課金してプレミアムプランに加入すると、見逃した番組や有料コンテンツを視聴できるようになります。
無料でも満足できるが、課金することで機能が増え、より楽しむことができるというわけです。
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また、『AbemaTV』と同じように、期間の定めなく無料で利用できる『ニコニコ動画』の場合は、有料のプレミアム会員になると、動画の読み込み速度が速くなったり、動画のお気に入り機能(マイリスト)に、無料会員より多くの動画を登録できるなど、各種機能の上限数がアップしたりといった特典を受けることができます。
これは、(3)の『基本機能は無料で、課金することで利用範囲の制限が解除される』に(2)をかけ合わせたようなスタイルといえます。
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このように動画サービスのなかでも、さまざまな種類のフリーミアムがあることがわかります。
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ユーザーの欲求を課金に結びつける
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ほかにも、オンラインストレージサービスで有名な『Dropbox』や『Googleドライブ』などは、課金することで使用できるストレージの容量が増えますし、数千万曲が楽しめる音楽配信サービスの『Spotify』は、有料プランにすることで広告を消せたり、オフライン再生ができたりといった追加機能を利用することができます。
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また、スマホゲームの多くはフリーミアムを採用しており、無料で遊べる一方で、さまざまな課金アイテムなどが追加要素として用意されています。
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このフリーミアムというビジネスモデルは、いかにユーザーの「もっと使いやすくしたい」「もっとストレスをなくしたい」「もっと楽しみたい」という欲求を課金に結びつけるかがポイントです。
最初に無料でサービスや製品に触れてもらい、そこからどう課金してもらうかを考えていかなければなりません。
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フリーミアムを採用してはみたが、有料会員の獲得数が伸び悩んだり、無料と有料が差別化できなかったりといった失敗事例も少なくありません。
フリーミアムは多くのユーザーを獲得できる可能性を秘めていますが、採用を検討する際は、ユーザーが何を求めているかを把握し、自社の製品やサービスに本当にフリーミアムが適切かどうかを考え、戦略を練っていくことが大切です。
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※本記事の記載内容は、2020年11月現在の法令・情報等に基づいています。
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参考文献:https://mi-g.jp/mig/article/detail/id/24970?office=Z17DLaHtybU%3D