政府も防止徹底を要請! 採用担当者はオワハラに要注意
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少子高齢化が進展し、労働力人口の減少が続く日本においては、企業の人材確保が喫緊の課題となっています。
特に中小企業では大企業と比べて新卒採用の充足率が低くなっているとのデータもあります。
そのなかで、新卒者に就職内定を出す代わりに就職活動を終了するよう強要する『オワハラ』が問題視されてきました。
政府もこれを重く見て、企業に対してオワハラ防止に関する通達を出しています。採用活動にあたって、どのような行為がオワハラと見なされるのか、オワハラをした場合のリスクや防止方法について確認していきましょう。
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政府も問題視! オワハラの具体例を確認
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オワハラとは『就活終われハラスメント』の略称で、新卒採用において内々定を出した就職活動中の学生に対して、企業が他社の選考辞退などを迫るハラスメント行為です。
オワハラは、2015年のユーキャン流行語大賞の候補にも挙がるなど、以前から問題となっている行為でした。
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政府は2023年4月10日に1,267の経済団体・業界団体の長に対し、『2024(令和6)年度卒業・修了予定者等の就職・採用活動に関する要請等について』という要請を出しています。この要請ではセクシャルハラスメントの防止などと並んで、オワハラを「就職をしたいという学生の弱みに付け込んだ、学生の職業選択の自由を妨げる行為」と明記し、このような行為を行わないよう、企業に強く要請しました。
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では、どのような行為がオワハラに該当するのでしょうか。
内閣府は学生の就職・採用活動に関して毎年調査を行っており、『学生の就職・採用活動開始時期等に関する調査報告書(令和3年11月25日)』によると、学生の約1割がオワハラを受けたと回答しました。この調査報告を基に、オワハラの具体例を確認していきましょう。
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●他社への就職活動を辞めるように迫る
オワハラのうち最も多いのが、内々定を出す代わりに、ほかの企業への就職活動を辞めるようにと迫るもので、オワハラを受けた学生の64.0%が経験したと回答しています。
具体的には、役員の目の前で学生に内定辞退の電話をかけさせるといった行為のほか、4次面接、5次面接などと多くの面接を行ったり、次の面接まで時間を空けたりすることで、他社への就職活動を妨害するケースも報告されています。
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●内々定の段階で、実質内定受諾を迫る
上記に次いで多かったのが、内々定の段階で、実質内定受諾を迫る行為です。内々定の段階で、内定承諾書の提出を求められたケースが42.3%、まだ他社の選考を受けたいにも関わらず、急遽大学の推薦状の提出を求められたケースが9.3%となっています。
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●頻繁なやり取りや長時間の研修によって妨害する
頻繁に学生を拘束し、ほかの企業への就職活動を妨害しようとする行為も見られます。内々定後に長時間(長期間)の研修を実施したり、出席必須の懇親会などを頻繁に開催し、他社への就職活動を妨げるようなといったケースもあります。また、大手企業や人気企業の面接が始まる時期に自社研修への参加を強制し、不参加の場合は内定を取り消すと警告するといった悪質な例もあります。
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●高圧的な態度を取ったり、長時間拘束する
「内々定辞退を申し出たところ、引き留めるために何度も説明を受けたり、拘束を受けた」といったオワハラを受けたとの回答も11.6%に上りました。学生を萎縮させ、辞退できないように仕向けたり、長時間拘束する行為も悪質なオワハラといえるでしょう。
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オワハラを起こさないためにできること
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企業にとって、上記のようなオワハラを行うことのリスクは何でしょうか。
オワハラは、セクハラやパワハラと同様にハラスメントの一種であり、オワハラを行えば、「〇〇はオワハラ企業だ」などと悪評が立ちます。
特に最近ではこれらの悪評がSNSで拡散されることも珍しくなく、企業にとっては大きなイメージダウンにつながります。
また、オワハラは脅迫罪や強要罪に抵触する恐れがあります。
『職業選択の自由』は憲法で保障された権利です。
そのため、選択の自由を奪うオワハラは憲法に違反する行為と解釈される可能性もあります。
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では、企業がこれらのオワハラを起こさないためには、どのような点に気をつければよいのでしょうか。
まず大切なのは、採用に関わる関係者および部門で、オワハラについての注意点を共有することです。
「どのような行為がオワハラに該当するのか」「学生に接する態度はどのようにするべきか」といった点について共有を徹底すれば、オワハラの防止に役立ちます。
また、経営者が「オワハラは絶対にNG」というメッセージを出すことも重要です。
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次に注意点として、「無理に引き止めなくてよい」という原則を共有しましょう。
よい学生にめぐり合えば、入社してもらいたいと考えるのは自然なことです。
しかし無理に入社を迫らず、相手の自由意思に委ねてよいという認識を持つことで、採用担当者もゆとりを持って学生に接することができるでしょう。
また、オワハラに該当するか否かを問わず、相手の自由意思を尊重することは非常に大切です。
意に沿わない入社でミスマッチが起こってしまえば、お互いにとって不幸な結果につながります。
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前向きな対策として、「自社の魅力を発信する」ことも有効です。
魅力のある企業であれば、学生もそこで働きたいと考えるようになります。
そのため、自社が魅力ある企業になれば、自然とオワハラを行う必要性もなくなります。
そのためにも、自社のセールスポイントや、入社によるメリットなどについて発信できる環境を整えていくことが大切です。
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現在多くの企業が、人材不足に陥っています。
しかし、いくら人材が必要だからといってオワハラとなってしまえば、むしろマイナス地点に下がります。
トラブルを防ぐためにも、経営者はオワハラは絶対に行わないという姿勢を明確にし、社内に周知していきましょう。
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※本記事の記載内容は、2023年7月現在の法令・情報等に基づいています。
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参考文献:https://mi-g.jp/mig/article/detail/id/32529?office=Z17DLaHtybU%3D